こんにちは。ドラマーのミッチーです。
ドラムの習得には基礎練習をきちんと進めて行くことが一番の近道となります。
●基礎練習って言われても、たくさんありすぎて何から手をつけたら良いか分からない…
●時間があまり取れないから、どこでも簡単にできる練習方法が知りたい…
という方に、ここでは「最初にやっておくべきドラムの基礎練習」と「簡単にできるドラムの基礎練習」についてお話します。
最初にやるべきドラムの基礎練習とは?
ドラムの基礎練習は様々な種類があり、どの練習も大切ですが基礎練習の中でも最初にやっておくべき練習があるので、お伝えしたいと思います。
ボーストレーニング
ボースとはBOTHと英語で書きますが、「両方」という意味になります。
練習方法ですが、とても地味で簡単です。
両手、両足を「同時に」叩きます。
この「同時に」音を出すことはとても簡単なことのように思えるかも知れませんが、実は難しいことなのです。
両手で同時に叩くことは比較的楽にできますが、手と足で同時に音を出すことは練習が必要になります。
ドラムはシンバルとスネアドラム、シンバルとバスドラムなどを同時に叩くことが多いですが、しっかりと同時に叩くことによって音の「音圧」が増して楽器全体の「音量」が大きくなります。
ロックドラムを叩く場合などにはドラムの音量が求められるので身につけておくと楽に演奏ができます。
●ドラムセットでの基礎練習(ボーストレーニング)の仕方
左手をスネアドラム、右手をフロアタム
左足をハイハット、右足をバスドラム にそれぞれ乗せて4つ同時に叩きます。
ちょっと分かりにくいかも知れませんが、譜面にするとこのような感じになります。
注意する点はとてもゆっくりのテンポでやることです。早くやる意味はないので、じっくりと全ての音が同時に出ているか確かめながらやりましょう。
テンポはメトロノームでBPM 60〜100くらいの間でやるくらいでOKです。譜面のように音符の縦のラインが揃うように意識して練習しましょう。
●練習パッドでの基礎練習(ボーストレーニング)の仕方
練習パッドはドラムセットに座ったときと同様の姿勢になるように、スネアドラムと同じ位置に置くようにスネアスタンドや専用スタンドの上に置くようにしましょう。椅子の上に置いたりしてもOKです。
両手を練習パッドを叩き、両足は地面に着いた状態にします。
両手、両足を同時に叩き(踏み)ます。ドラムセットと違って音は出ないので分かりにくいかも知れませんが、「同時」に音を出すことを意識しましょう。
練習をしていく内に自然と同時に音を出すことが無意識にできるようになってきます。
ボーストレーニングのまとめ
①叩くときは力を入れず、ゆっくりとしたテンポから始める。
②慣れてきたら徐々にテンポをあげて、いろんな速さでできるようにする。
③両手、両足を上げた時にバランスを崩さないように(ふらつかないように)、体の姿勢に気をつける。ふらつく場合は椅子に座る位置を変えてみる。
ボーストレーニングで「同時に」音を出すことの感覚が掴めると、小節の最初にシンバルとバスドラムの音を同時に出す時に音圧が出て、リズムが締まります。これができていないと、音がばらついて綺麗なビートになりません。
地味な練習ですが、少しつづでもやっていきましょう。
②チェンジアップ
ドラムで曲を演奏する時に必ず出てくるのは様々なリズムの切り替わりです。
8分音符でハイハットを刻んでいた所から、16分音符の細かい刻みに変わったりして、小節の最後には3連譜でフィルイン(タム回し)が来たり…
曲によっては目まぐるしくリズムが変化しますが、その変化にテンポを崩さないように対応するために必要な練習がチェンジアップです。
●チェンジアップの練習方法
チェンジアップの練習を譜面にするとこのようになります。
最初は右手(R)から叩き始め、左手(L)と交互にRLRLと叩いていきます。
3連譜の所は「RLR」「LRL」「RLR」「LRL]と手順が逆になるので注意が必要です。
これを最初はゆっくりのテンポから始めます。最初はBPM80くらいで始めましょう。
ゆっくり過ぎるテンポは最初は難しいので、慣れて来てからBPM60から始めてみると良いです。
これはテンポキープのための練習になるので、メトロノームの音にしっかり合わせる意識を持ってやりましょう。
3連複や16分音符が難しいと感じたら、最初はこのような4分音符と8分音符の交互のチェンジアップから練習して慣れていきましょう。
最初は右手からRLRLと交互に叩きますが、左手からLRLRと逆に叩いてみることも大切です。
右利きの方は特に左手でスティックを使うのが苦手になるので、両手とも同じ動きができるように練習しましょう。
それからチェンジアップの練習で気をつけて欲しいことが1つあります。
それはメトロノームとリズムがズレてしまっても、「無理に合わせようとしないこと」です。
これは最初は難しいので慣れるまでは徐々にやっていくしかないですが、「なんかズレてるけどまぁいいや」と適当に合わせて練習しているとなかなか正確なリズムは身に付きません。
チェンジアップの音符が変化した所ですごくズレてしまった時は無理に続けないで、最初から始めるのが上達のポイントです。
ズレたまま段々と合わせるような癖がつくと、正しいリズムを刻みにくくなります。面倒と思うかもしれませんが、そこは上達のためと思ってしっかりメトロノームに合わせる練習をしましょう。
チェンジアップのまとめ
①ゆっくりなテンポから始めて、徐々にテンポをあげていく。最初はBPM80からスタート。BPM90、100、110と上げていき、感覚を身につけたらBPM60、70とゆっくりのテンポでもできるようにする。
②右手スタートだけではなく、左手スタートでも同じようにできるようにする。
③メトロノームとすごくズレてしまった場合は一旦止める。しっかりリズムを聞いて、テンポが合うように意識して練習する。
チェンジアップはドラムの基礎中の基礎とも言える練習で、プロドラマーでも毎日やっていたりする練習です。
やればやるだけ基礎力が上がるので、毎日少しづつでもやっていきましょう!
簡単にできるドラムの基礎練習
●ドラムを叩きたいけど、スタジオには行けない…
●ちょっと練習したいけど、じっくりとやれる時間が取れない…
といった方にスティックを使わないで出来る「簡単にできるドラムの基礎練習」をお伝えします。
ドラムのフレーズを歌う!
どこでも簡単にできる基礎練習…
それは「ドラムのフレーズを歌う」ことです。
ドラムの練習メニューには練習パッドを使った練習やドラムセットでの色んなフレーズの練習だったり、いろんな練習があります。
その練習でも必要となるのが、ドラムのリズムをしっかりと頭に入れることです。
ある音楽家の言葉に「If you can hear it,you can play it」(聴くことができれば、それを演奏することができる)という言葉があります。
演奏する技術の練習はもちろん大切ですが、まずは音楽をしっかり聞いてドラムのリズムを頭で分かるようになると、ドラムを叩いた時にスムーズに演奏できるようになります。
ドラムの初心者の方は「音楽聞いてもドラムなんて分からない」と思うかも知れませんが、確かに最初は分かりにくいです。
正確にドラムを聴くのではなく、最初は何となくで良いので曲に合わせて口ずさんでみましょう。
例えば、「ドンパンドンパン」「ツクタクツクタク」「ドチタチドドタチ」みたいに適当でもいいので曲に合わせて歌ってみましょう。
テンポはゆっくりな曲から始めるといいですね。
繰り返し歌ってみて、ドラマーがどんな演奏をしているのか想像してみるとより頭に入りやすくなります。
ちなみに電車の中とかでやると恥ずかしい思いをするので、家や車の中とかでやりましょう。
ドラムのフレーズを歌う!のまとめ
①好きな曲や叩きたい曲を聴いてドラムのフレーズに耳を傾ける。
②曲に合わせてドラムのフレーズを歌ってみる。
③なんとなくでも良いので歌いながら叩くイメージをしてみる(実際のドラムを叩くときにフレーズを歌いながらできたら完璧!)。
このスティックを使わない「歌う」練習は実際に叩く練習に比べてもかなり重要度の高い練習になります。世界のトップのプロドラマー達もリズムを歌って演奏している姿を良く見かけます。
もちろんスティックを使ったパッド練習もとても大切ですが、スティックで練習できない時間には是非トライしてみて下さい!
それでは良いドラムライフを!