こんにちは。ドラマーのミッチーです。
スネアドラムはドラムの音色の中で一番耳に残る音で、ドラマーの個性を決める楽器とも言えます。
スネアドラムは種類が豊富で音色も様々なので、選ぶのに迷うと思います。
そこで「スネアドラムの選び方」についてお話していきます。
スネアドラムとは?

スネアドラムとは英語でsnare(スネア)と呼ばれる細い金属線が底に貼られていて叩いた時に独特な音響を発揮する楽器です。
もともと西洋の楽器隊(マーチング)に使用されていた物が、ドラムセットとして使用されるようになりました。
ドラムの基礎テクニックにルーディメンツと呼ばれるものがありますが(ロールやダブルストロークなどを使った奏法)これはマーチングで使用されていた奏法を標準的なリストとして定めたものです。
↑「ルーディメンツ」の技術を使った演奏
↑「ルーディメンツ」の技術をドラムセットに応用した演奏
STEVE GADD(スティーブガッド) [crazy army]
スネアドラム一つでここまでいろんな表現ができるのは世界トップのプロドラマーのなせる技ですね。
スネアドラムを構成するパーツ
スネアドラムは素材や大きさなどによってかなり幅広い種類があります。最初にスネアドラムを構成するパーツについて説明します。

①テンション・ボルト
フープ(スネアの上下についている輪っか)を締めるためのネジです。一般的なスネアドラムに付いている数は8本か10本です。数が多いほど細かなチューニング(音作り)ができます。
②フープ(リム)
スネアドラムの上下についている輪っかのことをフープと言います。フープには素材によって「プレスフープ」「ダイキャストフープ」「ウッドフープ」などがあります。
③ヘッド
ヘッドはスネアの上下に張られている丸い皮のことを言います。ヘッドには「コーテッド」「ピンストライプ」「センタードット」「オイル入り2プライ」など様々な種類があり、音色がかなり変化します。
●コーテッドヘッド
●ピンストライプヘッド
●センタードット(CSコーテッド)
④シェル
スネアドラムの胴体のことをシェルと言います。シェルの材質は大きく分けて「木胴」と「金属胴」に分かれます。
●木胴のスネアドラム(ウッドシェル)

●金属胴のスネアドラム(メタルシェル)

一般的に「木胴」のスネアドラムは温かく柔らかな音で、「金属胴」のスネアドラムはカンカンと甲高いアタックの強い音が出ます。
シェルのさらに細かい分類は次の項目で説明します。
⑤ラグ
スネアドラムはヘッドをある程度テンションボルトで締めないとしっかりとした音は出ません。そこでシェル(胴体)に取り付けられたラグにテンションボルトを刺して締めることでヘッドに張りが生まれます。
⑥ストレイナー
スネアドラムの裏面についているスナッピー(金属の波打った線)をオン・オフするためのスイッチをストレイナーと言います。

ストレイナーのネジを回すことでスナッピーの当たる強さ変化させ、スネアドラム特有の「ザーッ」という音の響きの強弱を調整できます。

⑦スナッピー
スネアドラムの裏側に付いている金属の波打った線をスナッピーと言います。スネアサウンドの中心とも言える部分で、金属線の数や長さの違いによってたくさんの種類があります。
スネアドラムのシェルの種類について
スネアドラムのシェルを大きく分けると「木胴」「金属胴」の2つに分かれます。それぞれ主な素材は以下の通りがあります。
スネアドラムのシェル【木胴(ウッドシェル)】の種類
●メイプルシェル…楓(かえで)という木の素材で作られています。定番とも言える素材で幅広いジャンルで使用できます。抜けの良い明るい音がします。
●バーチシェル…太い音が特徴でロックドラマーなどが良く使用しています。価格がメイプルよりも少し安く設定されています。
●マホガニーシェル…ヴィンテージスネアなどで使用される素材です。温かくて丸みのある音が特徴です。
スネアドラムのシェル【金属胴(メタルシェル)】の種類
●ブラスシェル…明るく伸びのある音がします。アタックも強く存在感のある音がします。
●アルミシェル…Ludwig(ラディック)の「Acrolite(アクロライト)」というスネアドラムがとても有名で世界中のドラマーが使用しています。甲高いシャープな音が特徴で、ジャズドラムなどにも使用されています。
●スチールシェル…スネアドラムの定番と言える素材で、ほとんどのメーカーがこのシェルのスネアを販売しています。価格は安めに設定されていますが、アタックがあり抜けの良い音が特徴で、様々なジャンルで使用できます。
●コパーシェル…とても抜けの良い音で、小さな音から大きな音までかなり幅広い音を表現できます。価格は比較的高めとなっています。
スネアドラムのメーカーと主なラインナップについて
スネアドラムを販売しているメーカーは数多くありますが、主要なメーカーと主なラインナップを紹介していきます。
主なメーカーは以下の通りです。
- Pearl(パール)
- YAMAHA(ヤマハ)
- TAMA(タマ)
- Ludwig(ラディック)
- GRETSCH(グレッチ)
- DW(ディーダブリュー)
●Pearl(パール) の主なラインナップ
●YAMAHAの主なラインナップ
●TAMA(タマ)の主なラインナップ
●Ludwig(ラディック)の主なラインナップ
↑ Ludwig / LB416T 【ブラスシェル】
●GRETSCH(グレッチ)の主なラインナップ
●DW(ディーダブリュー)の主なラインナップ
スネアドラムはメーカーによって見た目がかなり違いますね。また見た目だけではなく音もメーカーによって特色があります。
スネアドラムを購入する時の注意点

シェルを「木胴」「金属胴」どちらを選ぶか

スネアドラムのシェルは様々な種類がありますが、大きく分けると「木胴」と「金属胴」に分かれます。
それぞれの音の印象がかなり違うので、自分の演奏したい音楽、出したい音によってスネアドラムの音色を選ぶ必要があります。
とは言ってもジャンルや音色の事はなかなか的確に選ぶのは難しいと思います。
スネアに張るヘッドやメーカーなどで音色はかなり変わるので、一概には言えませんが「木胴」は温かく丸みのある音が多いので、歌を支えるポップスやロック。
「金属胴」はアタックが強く主張する音色が出やすいので、ハードロックやフュージョン、アルミシェルなどはジャズなどにも使用されています。
でもジャンルによって必ず変える必要は無く、演奏方法や楽器のチューニング(音作り)によって様々なジャンルで使用する事ができます。
実際に楽器店で試奏してみる
シェルの素材やメーカーによって様々な音の違いがあると説明しましたが、やはり実際に触ってみて、自分の耳で音を聞くことは大切ですね。
大抵の楽器店は店員さんに相談すると試奏をさせてもらえるので、思い切って試奏をさせてもらいましょう。
みんなが使っているスネアだったり、好きなドラマーが使っているスネアだからと、音を聞かないで買ってみたら、思っていたのと違った…なんて事が無いように一度音を鳴らして確かめましょう。
スネアドラムの選び方のまとめ
- スネアドラムのシェルの種類、特徴を知る。
- 木胴(ウッドシェル)か、金属胴(メタルシェル)か自分にあったタイプのシェルを選ぶ。または自分の好みの音を見つける。
- 実際に楽器店などで音を出して聞いてみる。
自分の理想的なスネアドラムを手にすることができると、練習がより楽しくなり、気分を上げて演奏できるので上達も早くなります。
是非いろんなスネアドラムを聞いて、探して、気に入るスネアドラムを見つけてください!
では、良いドラムライフを!